TRAININGREPORT「velvet room studioレコーディング研修」
こんにちは。
velvet room studio店長の横尾です。
現在、スタジオでは5名のスタッフに手伝ってもらっていますが、
その中に「レコーディングの勉強がしたい」といった目的を
もって来てくれているスタッフもいるので、その子たちには、
レコーディングの準備や後片付けの他にも編集作業等を
手伝ってもらったりしております。
中でも、スタッフの町田は今年の春から来てもらっている
のですが、熱心に取り組んでくれており、今年夏以降に
レコーディングした作品のほとんどに関わって、
タイトなスケジュールにも付いてきてくれています。
そんな彼の熱意に応えようと思い、今後のステップアップのため、
先日のレコーディング研修を行ってみました。
ちょうどわたくしがドラムを自分で叩いて録らないと
いけない用事があり、いつもは自分で「叩きながら録る」という
結構無茶をしており、セッティング3時間、叩く時間は15分…と、
あまり効率的とは言えないことをやっておりました。
そこで、今回エンジニアの祖父江さんにお願いして、
打合せから録音までのやりとりを町田に見学してもらい、
その様子をレポートしてもらいました。
彼がどんなところに注視して、何を感じとったのかを、
みなさんといっしょに見てもらえたらと思っております。
それでは、いっしょにレポート評価をお願いします笑
以下、町田によるレポート文です。
2017.11.30(木)
[当日の大まかな流れ]
■挨拶
一番最初はまずあいさつから。
何事においても重要な事なので忘れるべからず。
■打ち合わせ/音のイメージの共有
「この曲はどういうイメージでどういった風にしていきたいのか」
というようなことを知っておく。
今回は「ゴリゴリ」というパワーワードが結構出ていた。
事前にデモの音源が送られてきたり、事前に打ち合わせを
している場合も多くある。
↓
■ドラムの音について
ドラマーさんにチューニングやセッティングをしてもらう
(エンジニアがしたりもする)。
ドラマーさんがモニタリングする用のキューボックスと
会話ができるようのマイクを準備しておく。
横尾さんはノータムで男らしいセットだった。
↓
■マイキング
セッティングが決まったら、共有した音のイメージを参考にマイクを立てていく。
・snare→打面と裏のスナッピーで2本。裏は垂直に立てていたが、
表は打点のあたりを狙って結構斜めに向けていた。
(リムの鳴り方が今回の曲では少し邪魔だったらしい)
たしかSM57
・hihat→打点とちょうど対角になるあたりに上から垂直に1本。
たしかSM57
・オーバーヘッド→スネアの真上あたりから垂直で均等に2本。
ブームが重さで下がってきそうだったのでテープで支えていた。
(先人の知恵らしい。ちょっと感動した。)
・アンビエンス→ドラムの前から歩幅3歩ぶんくらいのところに
ステレオになるイメージでちょうど耳の高さくらいに2本と、
みぎ後ろからフロアタムあたりを狙っていた。高さはひざくらい。
アンビエンスは普段聞いているドラムの位置になるので
自分が美味しいと感じたところに立てるといいらしい。
エンジニアさんによって大きく違いが出やすいので
自ら経験して学んでいくことが大切なのかなと思いました。
↓
■マイクプリやコンプを通すのとマイクチェック
マイクで拾った音はとても小さいのでマイクプリアンプを通したり、
kickやsnareにコンプレッサーをかけたりする。
マイクプリのことを「えっちえー」(たぶんHA)と言っていて
カッコよかったので今度からそう言うことにしました。
HAによってサウンドのキャラや質感がとても左右されるそうで、
ここらへんの工程は、経験を重ねていって、どういう音になるか
想像するそうです。
深く知っていくと楽しい部分とおっしゃっていたのですが、
料理を作るのと似たようなものがあるように感じて
興味深いところでした。
マイクチェックはマイクホルダーを軽く爪でこすって、
音が来ているか確認していました。
音が出なかった場合などのときに対処しにくいので、
本当はマイキングをする前にやったほうが良いとおっしゃてました。
↓
■再度マイキングや機材の見直し
軽く録音を何回かしてみてもっとイメージに近くなるように
マイキングや機材の見直しをしたりする。
最初ドラムのサウンドがイメージよりタイトだったので、
部屋の腰板から反射してくる音を狙うためにアンビエンスとして
2本マイクを増やしていましたが、
それによってすごくドラムサウンドの音像が楽曲とマッチして、
すげえってなりました。
■レコーディング本番
クリックを流しながらセクションに分けて録っていました。
録音する時に何小説前から流すか判断して伝えたり、
録り直したい箇所を詰めていったりとDAW操作をしながら
円滑にレコーディングを進めていました。
ミキシングルームとブースで距離的にプレイヤーと離れる分、
誤解が多くなりやすいところでもあるので、
事前にコミュニケーションをしっかり取っておくことが
大事であると教えていただきました。
[考え方と感想]
人が演奏してそれを人が録るということが根幹であり、
プレイヤーとのコミュニケーションを大切にして、
作り手の音楽の行きたい方向に少しだけお手伝いをするというのが
エンジニアでレコーディングなのかなと今回の研修を通して感じました。
一つ一つ疑問におもったところを「もっと知りたい!」という
探究心も持つことも大切だと祖父江さんに教えていただいたので
これから学んでいく過程で活かしていきたいと思います。
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■講師紹介
SORA
レコーディング、PAエンジニア
お問合せはこちら→ Twitter @sound_sora
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